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女子U18日本代表:強豪中国に2回勝つ難しさを痛感した準優勝

「FIBA U18 女子アジア選手権 2018」を戦い終えた女子U18日本代表チームが無事帰国。出場権を獲得した「FIBA 女子U19ワールドカップ 2019」へ向け、さらなるレベルアップを誓い合い、それぞれ所属チームに戻りました。

予選ラウンドで中国に94-79、準決勝のオーストラリアには90-77と強豪国に勝利した2試合に関し、「準備期間は短かったですがトランジションで勝つスタイルを徹底し、このチームの特長を出すことはできました」と萩原美樹子ヘッドコーチは、準備したことが通用した点を勝因に挙げます。しかし、中国と2度目の対戦となった決勝では、「戦い方も違いましたし、予選時にはケガで出場していなかった6番(Zhuo Ya Fang選手)が出てきてすぐに3Pシュートを2本決められてしまい、そこから相手を乗せてしまいました」。格上かつ大きな相手に対し、「2回勝つのは大変であり、対応されたときにもう一手が足りず、そこは力不足でした」と言うように、悔しい準優勝でした。

石原柚香キャプテン(愛知学泉大学1年)は、「中国の方が勝ちたいという気持で上回っていました」と感じたとともに、トップチームである中国代表のポイントガードにも選出されていたYuan Li選手の技術の高さを認めています。勝てた試合は「3Pシュートも、インサイドからもみんな点数を獲っていました」。しかし、決勝は3Pシュートが1本しか決められず、「それもやっぱり相手の気持ちが入ったディフェンスに押されてしまったのだと思います」

停電によるアクシデントも日本にとっては不利に働きました。「はじめから走って行けば相手は疲れるだろう」と萩原ヘッドコーチは作戦を立てます。どのカテゴリーも走力やスタミナを武器にし、最後の5分間で勝負を懸けるのが国際大会における日本のスタイルです。「日本のスピードについて来られるチームはいないと感じました」という東藤なな子選手(札幌山の手高校3年)が、積極的に攻めたことで流れをつかみはじめます。残り時間6分3秒、中国がちょうどタイムアウトを取ったときでした。停電により約30分間、試合が中断します。それにより体力を回復できてしまった中国に、追いつくことができないまま敗れてしまったのは不運でした。

これまでは身長差を突かれ、インサイドを攻め込まれることが多かったですが、9月に行われたFIBA 女子ワールドカップでの女子日本代表戦も同じく、中国に3Pシュートを効果的に決められ、苦しめられました。日本戦に対する変化を萩原ヘッドコーチも実感しています。

「中国もオーストラリアも、日本が少しでもディフェンスを中に絞るとすぐに外へパスを出し、3Pシュートを狙ってきました。オーストラリアは決まり事にしているのではないかと思うほど、ディフェンスを絞った瞬間に外へパスを出し、そこから3Pシュートを確率良く決められてしまうと、マンツーマンで守るのは厳しくなります。チェンジングディフェンスなど、対応策を考えなければならないです。本当にそこは女子日本代表と同じく、課題が見えました」

日増しにチーム力を高めていった要因について、石原キャプテンは「合宿中は学年の壁があったりしましたが、大会に入るときにはそれも取り払われ、みんなが意見を言い合えるようになっていました」。素晴らしいチームワークは周りからも認められ、「すごく良いチームだったよ、と言われたのがすごくうれしかったです」と笑顔を見せます。

チームトップの平均14点を挙げ、攻守に渡って活躍した東藤選手は、「アジアでこれだけ通用したからこそ、世界でどれだけできるのかが楽しみです。世界のトップレベルともっと対戦したいです」と意欲を見せています。国際大会で得た経験、通用した部分や課題点、最後に敗れた悔しさ、チームとして戦うことができたことなどなど、多くの経験を積むことができた女子U18日本代表選手たち。来年開催される世界との戦いに向け、それぞれやるべきことは分かっており、ここから新たな競争がはじまります。

竹原レイラ選手(三菱電機コアラーズ)はすぐさまWリーグでの復帰を目指し、石原選手と山下詩織選手(白鷗大学1年)の大学生たちは12月10日に開幕する第70回全日本大学バスケットボール選手権大会 (インカレ)へ向け、そして高校生たちの多くはウインターカップ2019が待っており、今大会で得た経験を生かしさらなる活躍に期待しています。ぜひ、今後も女子U18日本代表選手たちへのご声援をよろしくお願い致します。

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